難聴
最近、テレビの音が大きいと指摘されたり、人との会話で何度も聞き返してしまったりすることはありませんか。難聴は単に音が聞こえにくいというだけでなく、周囲とのコミュニケーションを難しくし、日常生活において孤独感や不安を感じさせる要因にもなり得ます。私たち鷺ノ宮耳鼻咽喉科では、中野区の鷺ノ宮駅近くで、聞こえのトラブルを抱える患者さんの不安に寄り添い、丁寧な検査と診断を行うことを大切にしています。
難聴には急激に症状が現れるものから、数年かけてゆっくりと進行するものまで様々なタイプがあります。早期に適切な処置を行うことで、聴力の回復が見込めるケースや、進行を緩やかにできるケースも少なくありません。西武新宿線の鷺ノ宮駅から徒歩2分の場所にある当院では、お仕事帰りや家事の合間にも受診しやすい環境を整えています。聞こえに違和感を覚えたら、決して放置せずに早めにご相談いただくことが大切です。
難聴の原因
耳は外側から「外耳」「中耳」「内耳」という3つの部分に分かれており、さらにその奥の神経を通じて脳へ音が伝わります。難聴は、これらのどこにトラブルが生じているかによって、大きく3つのタイプに分類されます。
伝音難聴の原因
伝音難聴とは、外耳や中耳といった、音を振動として内耳に伝える部分に問題が生じることで起こります。音を増幅する機能がうまく働かなくなるため、音が小さく聞こえるようになります。主な原因は以下の通りです。
- 耳垢栓塞(じこうせんそく)・・耳垢が詰まって通り道を塞いでしまうこと。
- 中耳炎・・細菌感染などにより中耳に膿や液体が溜まり、鼓膜の動きが悪くなること。
- 鼓膜穿孔(こまくせんこう)・・外傷や炎症によって鼓膜に穴が開いてしまうこと。
- 耳硬化症・・中耳にある小さな骨(アブミ骨)が動きにくくなる病気。
感音難聴の原因
感音難聴は、内耳やそれより奥にある聴神経、あるいは脳の聴覚中枢に問題がある場合に起こります。音を電気信号に変換する能力や、その信号を伝える力が低下するため、単に聞こえにくいだけでなく「言葉がはっきりしない」という症状が出やすくなります。
- 加齢・・年齢を重ねることで内耳の細胞が徐々に減少すること。
- 強大な騒音・・工事現場やライブ会場などの大きな音を長時間、あるいは突発的に聴くこと。
- ウイルス感染・・おたふく風邪やヘルペスウイルスなどが内耳に影響を与えること。
- ストレスや疲労・・自律神経の乱れが内耳の血流を悪化させることがあります。
- 薬の副作用・・特定の抗菌薬などが内耳にダメージを与える場合があります。
混合性難聴の原因
混合性難聴は、上記の伝音難聴と感音難聴の両方の原因が組み合わさった状態です。例えば、慢性的な中耳炎が悪化して、炎症が内耳にまで波及してしまった場合などがこれに該当します。治療には、それぞれの原因に応じた多角的なアプローチが必要です。
難聴によって引き起こされる病気
「耳が聞こえにくい」という症状の裏には、様々な病気が隠れている可能性があります。原因を特定し、適切な治療を開始するためには、それぞれの病気の特徴を知ることが重要です。
突発性難聴
ある日突然、片方の耳(稀に両耳)が聞こえなくなる病気です。原因は完全には解明されていませんが、ウイルス感染や内耳の血流障害、ストレスが関与していると考えられています。
発症してから1週間以内、遅くとも2週間以内に治療を開始できるかどうかが、聴力の回復を左右する重要なポイントとなります。耳が詰まった感じ(耳閉感)や耳鳴り、時にはめまいを伴うこともあります。
メニエール病
激しい回転性のめまいとともに、難聴や耳鳴り、耳の詰まった感じが繰り返される病気です。内耳にある「内リンパ液」が過剰に溜まる「内リンパ水腫」が原因とされています。
初期の段階では、低い音だけが聞こえにくくなることが多く、めまいが治まると聴力も回復することがあります。しかし、発作を繰り返すうちに聴力が徐々に低下していく恐れがあるため、継続的な管理が必要です。
急性中耳炎・滲出性中耳炎
中耳炎は、特にお子さんに多い難聴の原因ですが、大人でも発症します。急性中耳炎は痛みを伴いますが、滲出性(しんしゅつせい)中耳炎は痛みがなく、耳の中に液体が溜まって聞こえが悪くなるのが特徴です。
滲出性中耳炎は「呼んでも返事をしない」「テレビの音を大きくする」といった行動で気づかれることが多い病気です。放置すると、将来的に鼓膜が癒着したり、真珠腫性中耳炎という重症な病気に移行したりするリスク因子(病気を引き起こす可能性を高める要素)となります。
加齢性難聴
加齢に伴い、両側の耳がゆっくりと聞こえにくくなる状態です。高い音から聞こえにくくなるため、電子レンジの報知音や体温計の音が聞き取りにくくなることから自覚されることが多いです。
加齢性難聴は完全に元の状態に戻すことは難しいですが、放置すると認知症の発症リスクを高めるという報告もあります。補聴器などを適切に活用し、脳へ音の刺激を送り続けることが、生活の質(QOL)を維持するために推奨されます。
騒音性難聴・音響外傷
大きな音によって内耳の細胞がダメージを受けることで起こります。職業的に騒音下で働く方に起こるものを騒音性難聴、ヘッドホンで大音量の音楽を聴き続けたり、爆発音を聴いたりして急激に起こるものを音響外傷と呼びます。
難聴の処置や治療法
当院では、患者さんのライフスタイルや難聴の種類に合わせて、最適な治療方法を提案いたします。まずは詳しい問診と聴力検査を行い、どこに原因があるのかを突き止めることから始めます。
薬物療法
内耳のトラブルが原因の難聴(突発性難聴やメニエール病など)に対しては、お薬による治療が中心となります。
- 副腎皮質ステロイド薬・・炎症を強力に抑え、内耳の腫れやダメージを和らげます。
- 血流改善薬・代謝賦活薬・・内耳の血行を良くし、細胞の働きを助けます。
- ビタミン剤・・神経の修復を助けるビタミンB12などを処方します。
- 利尿薬・・メニエール病などで内耳に溜まった余分な水分を排出させます。
耳の処置・小手術
伝音難聴の場合、物理的な処置によって劇的に聞こえが改善することがあります。
- 耳垢除去・・専用の器具や吸引機を使い、詰まった耳垢を安全に取り除きます。
- 鼓膜切開・・中耳に溜まった膿や液体を排出するために、鼓膜に小さな穴を開けます。
- 鼓膜換気チューブ挿入術・・滲出性中耳炎が慢性化している場合、鼓膜に小さなチューブを留置して中耳の換気を保ちます。
重度の慢性中耳炎や真珠腫、耳硬化症などで大規模な手術が必要と判断した場合には、提携している大学病院や総合病院を速やかに紹介させていただきます。
補聴器の選定と適応相談
治療による改善が難しい難聴や、加齢性難聴に対しては、補聴器の使用が有効な選択肢となります。補聴器は「ただ購入すれば良い」というものではなく、ご自身の聴力に合わせて精密に調整(フィッティング)を行う必要があります。
当院では、補聴器が必要な状態かどうかを適切に診断し、信頼できる補聴器技能者と連携して、納得のいく補聴器選びをサポートします。無理に勧めることはありませんので、まずは相談だけという方も安心してお越しください。
難聴についてのよくある質問
Q1. 突然耳が聞こえなくなったのですが、明日まで様子を見ても大丈夫ですか?
A1. 突発性難聴の可能性がある場合、一刻も早い治療開始が望まれます。数時間の差で結果が変わるわけではありませんが、翌朝一番には必ず受診してください。週末などで休診を挟む場合は、救急外来の受診も検討すべき緊急事態です。
Q2. 片方の耳だけ聞こえにくいのですが、これって難聴ですか?
A2. はい、片側だけでも聞こえに左右差がある場合は難聴の可能性があります。耳垢が詰まっているだけの場合もありますが、突発性難聴や聴神経腫瘍などの病気が隠れていることもありますので、専門的な検査をお勧めします。
Q3. 補聴器をつけると、耳が悪くなると聞いたのですが本当ですか?
A3. 適切な調整を施した補聴器であれば、それによって聴力が低下することはありません。むしろ、聞こえない状態を放置して脳への刺激が減ることの方が、言葉を聞き取る能力(語音明瞭度)の低下を招く恐れがあります。
Q4. 耳鳴りがひどいのですが、難聴と関係がありますか?
A4. 耳鳴りを訴える方の多くに、何らかの難聴が認められます。脳が聞こえにくくなった音を補おうとして過剰に反応し、耳鳴りとして感じさせている場合が多いのです。難聴の治療によって耳鳴りが軽減することもあります。
Q5. ストレスで耳が聞こえなくなることはありますか?
A5. はい、あります。心因性難聴といって、心理的なストレスが原因で聞こえが悪くなることがあります。また、ストレスが自律神経に影響し、突発性難聴やメニエール病を誘発する一因になることも臨床現場ではよく見られます。
院長より
「最近、少し聞こえにくい気がするけれど、年のせいかな」と、つい我慢をしてしまっていませんか。耳の聞こえは、私たちが社会の中で豊かに生きていくための、かけがえのない窓口です。家族の声が聞き取りにくい、趣味の音楽が楽しめないといった悩みは、生活の質に直結します。
私たち鷺ノ宮耳鼻咽喉科は、東京都中野区の鷺ノ宮駅から徒歩2分という通いやすい場所で、地域の皆さんの「耳のかかりつけ医」でありたいと考えています。難聴の治療において最も大切なのは、早期発見と、患者さん一人ひとりの背景に合わせた治療方針の決定です。
当院では、いきなり難しい話をしたり、補聴器を強く勧めたりすることはありません。まずは今の耳の状態がどうなっているのかを、分かりやすい言葉で丁寧にご説明します。検査の結果、お薬で治るものもあれば、耳垢を取り除くだけですっきり解決するものもあります。
中野区周辺にお住まいの皆さんが、これからも明るく元気に会話を楽しめるよう、全力でサポートさせていただきます。些細な違和感でも構いません。どうぞ、お散歩のついでに立ち寄るようなお気持ちで、お気軽にご相談にいらしてください。スタッフ一同、笑顔でお迎えいたします。
